Archive for the ‘コラム’ Category

弁護士の懲戒歴

2016-08-04

最近,テレビに出ていた弁護士が業務停止の懲戒処分を受け,話題となっています (さらに…)

養育費の一括払い

2016-07-23

養育費について,将来の支払いが不安だから一括で支払ってもらえるように請求できないかというご相談 (さらに…)

転居先調査の弁護士会照会

2016-07-13

相手方に裁判を起こしたかったり請求をしたいが,相手方が転居してしまって転居先がわからないことが (さらに…)

法定相続情報証明制度

2016-07-06

報道によりますと,法務省は,相続手続を簡素化する「法定相続情報証明制度」(仮称)を (さらに…)

預金の遺産分割についての最新情報

2016-06-27

以前のブログで,預金は遺産分割の対象とするとの合意がない限り遺産分割審判の対象にならないとする今までの判例 (さらに…)

相続における特別受益とは(1)

2016-06-20

亡くなった方の遺産を分割する割合は,通常,法定相続分に従うことになりますが,例外として特別受益と寄与分というものが (さらに…)

症状固定と後遺障害

2016-06-14

交通事故により傷害を負い,治療を続けていると,加害者の保険会社から治療費の打ち切りを (さらに…)

養育費不払いへの対策

2016-06-07

養育費不払いの初動は履行勧告と履行命令を検討

せっかく調停や審判、訴訟で養育費の取り決めをしても、約束どおりに支払われないケースは後を絶ちません。養育費に関する制度の全体像については、養育費を請求したい方へで体系的に解説しています。

支払いが滞ったら、まずは手元の文書(調停調書・審判書・判決書など)と、未払いとなっている月や金額を確認しましょう。そのうえで、家庭裁判所で決まった養育費であれば、無料で利用できる「履行勧告」や、数百円の申立手数料と郵便切手代で申し立てられる「履行命令」という制度を試してみる価値があります。

履行勧告手続は、家庭裁判所から相手方へ支払いを無料で促してもらえる手軽な方法です。一方の履行命令では、「正当な理由なく履行命令に従わない場合は10万円以下の過料に処せられる」旨の通知が裁判所から届くため、相手方に強いプレッシャーをかける効果が期待できます。

もっとも、これらには財産を直接回収する強制力はありません。相手が無視を続ける場合や、早期に確実な回収を図りたい場合は、次の「強制執行(差押え)」へ進む必要があります。

養育費不払い対策としての履行勧告・履行命令と強制執行(差押え)の違いと手順の図解

支払われない場合は強制執行(差押え)で回収

履行勧告等でも支払われない場合や、強制執行認諾文言付きの公正証書がある場合は、地方裁判所での「強制執行(差押え)」を検討します。

差し押さえやすい財産は「預貯金」や「給与・賞与」です。不動産の差押えには60万円程度の予納金を裁判所に納める必要がありますが、預貯金や給与の差押えなら高額な予納金は不要で、原則4,000円の収入印紙代と数千円の郵便切手代で申し立てられます。特に給与は、未払い分に加えて将来分も手取りの2分の1まで継続して回収できる大きな利点があります。

申立てには、調停調書や公正証書などの「債務名義の正本」や、相手方に届いたことを証する「送達証明書」(必要に応じて執行文や確定証明書)が必要です。なお、2026年4月1日施行の改正民法により、同日以降に発生する養育費については、債務名義がなくても父母間の合意文書等があれば子1人あたり月8万円を上限に「先取特権」に基づいて差し押さえられる別手続も導入されました。

また、以前は預金口座の支店名や勤務先の特定が高い壁でしたが、現在は民事執行法改正による「第三者からの情報取得手続」や、2026年4月からのワンストップ執行手続が運用されており、裁判所を通じて金融機関等の情報を調査できるようになっています。新制度のより具体的な仕組みについては、養育費のワンストップ執行とは?新制度の概要と限界を弁護士が解説をご覧ください。

差押えの書類準備や手続の選択でお悩みの際は、お一人で抱え込まずに弁護士へご相談ください。早川法律事務所では、離婚や養育費に関する初回ご相談を1時間まで無料で承っております。まずは早川法律事務所の法律相談予約・お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

遺産分割の前提問題 ー 相続人の範囲

2016-05-31

遺産分割の前提となる「相続人の範囲」と戸籍の記載

遺産分割とは、亡くなった方の遺産を相続人全員で分ける手続です。しかし、具体的な分割割合や分割方法の話し合いに入る前に、まず解決しておかなければならない「前提問題」が生じることがあります。その代表例が、誰が遺産を受け取る資格を持つのかという「相続人の範囲」の確定です。

遺産分割協議は、法律上の相続人全員が参加しなければ無効となります。相続人の範囲は民法で定められており、通常は被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を取り寄せることで明らかになります。ところが実務においては、まれに戸籍の記載が実際の身分関係と異なっているケースに直面することがあります。

具体的には、本人の知らない間に婚姻届や離婚届が勝手に出されている場合や、他人の子どもを自分の子どもとして虚偽の出生届を出している場合などです。このように血縁や当事者の意思に基づかない届出がなされていると、戸籍上は配偶者や子として記載されていても、法律上の親子関係が存在しない、あるいは夫婦関係が認められないといった深刻な問題が生じます。

相続人の資格に争いがある場合の手続と実務上の対処法

戸籍の記載が実際の身分関係と異なる場合、その人物に相続人としての資格があるかどうかについて「当事者間に争いがあるか否か」で進めるべき手続が大きく異なります。

戸籍の記載と実際の身分関係が異なる場合の手続の流れ(人事訴訟と相続放棄の比較図)

まず、相続人としての資格に争いがある場合には、遺産分割調停や審判の中でそのまま解決することは原則としてできません。遺産分割を進める前に、家庭裁判所での調停や人事訴訟を通じて、前提となる身分関係を法的に確定させることが先決となります。具体的には、夫婦関係であれば「婚姻無効確認」や「離婚無効確認」、親子関係であれば「親子関係存否確認」などの調停・訴訟を行う必要があります。これらの手続は高度な法的知識と証拠収集が求められるため、弁護士へ依頼して進めるのが現実的です。

一方で、戸籍に事実と異なる記載があっても、「その人物が実際には相続人でないこと」について当事者全員に争いがないケースもあります。この場合は、戸籍上記載されている人物に家庭裁判所で相続放棄をしてもらうという実務上の解決策が有効です。適法に相続放棄がなされれば、初めから相続人ではなかったとみなされるため、時間と労力のかかる人事訴訟等を経ることなく、本来の相続人だけで速やかに遺産分割手続を進めることができます。

ただし、相続放棄の申述は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内という短い期間内に行わなければなりません。不測の事態に備え、選択肢を狭めないためにも、相続が発生したら可能な限り早期に戸籍を取り寄せて相続人調査に着手することが極めて重要です。なお、相続手続全般の全体像については、【相続(遺産分割、相続放棄)】で体系的に解説しています。

離婚に伴う慰謝料

2016-05-24

離婚すれば必ず慰謝料はもらえる?

「離婚するなら慰謝料を請求したい」とお考えになるのは当然のことです。しかし、法的な観点から申し上げると、離婚すれば必ず慰謝料が発生するわけではありません。
慰謝料とは、相手の「不法行為」によって受けた精神的苦痛に対する賠償金です。つまり、離婚の原因が相手の違法な行為にあると法的に認められる場合に限り、請求権が発生します。
感情的な対立だけでなく、この法的な線引きを理解することが、適切な請求への第一歩となります。なお、離婚時には慰謝料とは別に、夫婦で築いた資産を分け合う財産分与という制度もあります。

慰謝料が発生するケース・しないケース

では、具体的にどのような行為が「不法行為」とみなされるのでしょうか。代表的なケースを以下に示します。

  • 発生する主なケース
    • 不貞行為(不倫・浮気):配偶者以外と肉体関係を持つこと。
    • DV・モラハラ:身体的・精神的な暴力。これには相手の人格を否定するような言動も含まれます。より詳しい解説はモラハラ離婚の進め方をご覧ください。
    • 悪意の遺棄:正当な理由なく同居・協力・扶助といった夫婦の義務を放棄すること。(例:生活費を一切渡さない、一方的に家を出て行くなど)
  • 発生しない主なケース
    • 性格の不一致:離婚原因として最も多い理由ですが、どちらか一方に法的な責任を問うことが難しいため、原則として慰謝料は発生しません。

このように、慰謝料請求の可否は離婚原因に大きく左右されます。

離婚慰謝料が発生するケース(不貞行為、DV・モラハラ、悪意の遺棄)と発生しないケース(性格の不一致)を比較した図解。

離婚慰謝料の相場はどのくらい?

慰謝料の金額は、原因となった行為の悪質性、婚姻期間、子の有無、相手の収入など、様々な事情を総合的に考慮して決定されます。そのため一概には言えませんが、裁判で認められる一般的な相場は、数十万円から500万円程度の範囲に収まることが多いです。

裁判例では100万円以下が最も多いとも言われますが、これはあくまで統計上の話です。離婚慰謝料の金額は個別事情により大きく異なるため、証拠関係や婚姻期間、相手方の対応などを踏まえて見通しを検討する必要があります。なお、不倫慰謝料を請求された側が減額を求めてくるケースも少なくありません。

慰謝料請求を有利に進める「証拠」の重要性

慰謝料を請求する上で、何よりも重要なのが「客観的な証拠」です。相手が不法行為の事実を素直に認めれば問題ありませんが、多くの場合、「そんなことはしていない」と言い逃れをしようとします。
交渉や裁判の場では、あなたの主張が事実であることを第三者(調停委員や裁判官)に納得させなければなりません。その際に、感情的な訴えだけでは不十分であり、客観的な証拠がなければ請求が認められないリスクが極めて高くなります。不倫慰謝料の請求を検討しているなら、まず証拠の確保から始めるべきです。

証拠としての「日記」の書き方

今からでもすぐに始められる、証拠の一つとなりうるのが「日記」です。ただし、単なる愚痴や感想では証拠としての価値が弱まります。法的に信用されやすい日記を作成するには、以下の点を意識してください。

  1. 5W1Hで事実を記録する:「いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」を明確に、客観的な事実を中心に記録します。相手の暴言や行動を具体的に記載しましょう。
  2. 継続性が信用性を高める:毎日書く必要はありません。相手のひどい言動があった日だけでも構いませんので、継続して記録することが重要です。断片的なメモよりも、継続された記録の方が信用されやすくなります。
  3. 感情と事実を分けて書く:「悔しかった」「悲しかった」という感情も重要ですが、それ以上に「『お前は価値のない人間だ』と言われた」といった具体的な言動や出来事をありのまま記録することが、証拠価値を高める鍵となります。

辛い記憶を文字にすることは苦しい作業かもしれませんが、その記録は、正当な権利を主張する際の重要な資料となります。

離婚問題は一人で悩まず弁護士にご相談を

慰謝料請求は、法的な知識と交渉の経験が結果を大きく左右します。集めた証拠が法的に有効かどうかの判断や、相手方との冷静な交渉は、精神的な負担も大きいものです。
当事務所は千葉県千葉市を拠点に、県内全域の離婚事件を数多く扱ってまいりました。あなたの状況を丁寧にお伺いし、法的な見通しと、これから何をすべきかを具体的にアドバイスいたします。
離婚に関する初回のご相談は1時間まで無料です。一人で抱え込まず、まずは専門家である私たちにご相談ください。

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