親権者を決めずに離婚する方法|親権者指定の調停と手続の流れ

親権者を決めずに離婚する条件|協議離婚と事前の申立て

夫婦間で離婚には合意しているものの、子どもの親権で折り合いがつかないケースは少なくありません。2026年4月1日施行の改正民法により、協議離婚の場合は親権者を決めずに先に離婚届を提出することが可能になりました。

ただし、この制度を利用するには以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 協議離婚であること:夫婦が合意して役所に届出をする協議離婚に限られます。調停離婚や裁判離婚では、親権者を定めずに離婚することはできません。
  • 事前の申立てがあること:離婚届を提出する前に、家庭裁判所へ「親権者指定の調停」または「親権者指定の審判」を申し立てていることが必須条件です(民法765条1項2号)。

なお、離婚手続きの全体像については、離婚のページで体系的に解説しています。

親権者指定の調停を申し立てて先に離婚する流れ

実際に親権者指定の調停を申し立ててから、先行して協議離婚を成立させ、親権者を確定させるまでの流れは以下の4ステップです。

親権者指定の調停を申し立てて先に協議離婚する4つの手順の図解
  1. 家庭裁判所へ申し立てる:家庭裁判所へ「親権者指定の調停(または審判)」を申し立てます(管轄は原則として調停が相手方の住所地、審判が子の住所地で、いずれも当事者が合意で定める家庭裁判所も可)。子1人につき収入印紙1,200円分や連絡用の郵便切手、戸籍謄本などが必要です。受理されたら裁判所で「事件係属証明書」を発行してもらいます。
  2. 役所に協議離婚届を提出する:新様式の離婚届(または別紙)にある「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」の欄に記入し、事件係属証明書等を添えて役所へ提出します。
  3. 裁判所で親権者を決める:離婚成立後、速やかに「離婚の記載がある戸籍謄本」を家庭裁判所へ追加提出します。調停での話し合い(不成立なら自動的に審判へ移行)を通じ、共同親権か単独親権かを含めて親権者を定めます。
  4. 親権者指定届を提出する:調停成立日または審判確定日から10日以内に、調停調書謄本(審判の場合は審判書謄本と確定証明書)等を添えて、役所に「親権者指定届」を提出します。

親権者を決めずに離婚する際の注意点と弁護士への相談

親権者を決めずに離婚を先行させる場合、いくつか注意すべき点があります。まず、離婚後に親権者が決まらない事態を防ぐため、一度申し立てた親権者指定の調停や審判を取り下げるには家庭裁判所の許可が必要です。

また、離婚後の戸籍謄本を裁判所へ速やかに提出しないと判断を受けられないおそれがあるほか、親権者が決まるまでの子どもの居所や養育で争いがある場合は、別途「子の監護者指定」などの手続が必要になります。

離婚だけを急ぐと、かえって紛争が長期化するケースも見受けられます。先行して離婚届を出すべきか迷われたら、手続を進める前に弁護士へご相談ください。早川法律事務所では、離婚に関する初回ご相談を1時間まで無料で承っております。

早川法律事務所へのお問い合わせ・初回無料相談のご予約はこちら

keyboard_arrow_up

0752555205 問い合わせバナー 法律相談のインターネット予約