弁護士解説|遺言公正証書作成の全手順と必要書類

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公正証書遺言とは?弁護士が作成手順を解説

ご自身の財産を誰に、どのように遺すか。その最終意思を法的に有効な形で実現するのが遺言書です。中でも「公正証書遺言」は、公証人という法律の専門家が作成に関与するため、方式の不備で無効になるリスクを抑えやすい方法とされています。

自筆で作成する遺言とは異なり、家庭裁判所での検認手続きが不要なため、相続開始後、受遺者(財産を受け取る人)は迅速に手続きを進めることができます。また、紙で作成された原本は公証役場に、電磁的記録で作成された原本は日本公証人連合会が運営するシステムに保存されるため、紛失や改ざんのリスクを抑えられます。相続開始後の紛争を予防するために、この記事では公正証書遺言を作成する際の主な手順を、専門家の視点から解説します。

公正証書遺言作成の4ステップ【弁護士が解説】

公正証書遺言の作成は、複雑に思えるかもしれませんが、専門家と連携することで着実に進めることが可能です。当事務所にご依頼いただいた場合、実際には以下の流れで手続きを進めていきます。

公正証書遺言作成の4つのステップを示した図解。ステップ1は内容決定と書類準備、ステップ2は公証役場との連携、ステップ3は作成当日の署名押印、ステップ4は完成と保管。

ステップ1:遺言内容の決定と必要書類の準備

まず、遺言者様とのお打ち合わせを通じて、「誰に」「どの財産を」「どのくらいの割合で」遺すのか、具体的な遺言内容を固めます。この意思決定が最も重要な核となります。

並行して、公証役場へ提出する必要書類を収集します。主に必要となるのは以下の書類です。

  • 遺言者本人に関する書類
    • 印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
    • 戸籍謄本
  • 財産を受け取る方(受遺者)に関する書類
    • 戸籍謄本や住民票(遺言者との続柄を証明するため)
  • 財産に関する資料
    • 不動産:登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産評価証明書
    • 預貯金:通帳の写しや残高証明書
    • 有価証券:証券会社の残高証明書など

特に不動産が多数ある場合や、相続関係が複雑な場合、これらの書類収集は煩雑になりがちです。2026年2月2日からは所有不動産記録証明制度も始まりました。弁護士が財産調査や書類収集をサポートすることで、ご依頼者様の負担を軽減できる場合があります。この準備段階で、通常1ヶ月程度の期間を見込んでおくとよいでしょう。

ステップ2:公証役場との打ち合わせと証人の手配

遺言内容と必要書類が揃いましたら、当事務所が公証役場に連絡を取り、公証人との間で遺言書の文案作成を進めます。ご依頼者様のご意向が法的に問題なく、かつ明確に実現されるよう、専門家間で文面を調整します。

また、公正証書遺言の作成には、証人2名の立会いが必要です。ただし、遺言者の推定相続人や受遺者など、利害関係者は証人になることができません。適当な証人が見つからない場合でもご安心ください。当事務所の弁護士や公証役場が紹介してくれる方が証人となることも可能ですので、別途手配いただく必要はありません。

ステップ3:作成日当日の流れと署名・押印

公証人との間で遺言書の最終案が固まったら、作成日時を調整し、公証役場へ向かいます。当日は、遺言者ご本人と証人2名が同席します。

手続きの流れは以下の通りです。

  1. 公証人が、遺言者と証人の本人確認を行います。
  2. 公証人が、遺言書の全文を読み上げ、内容に間違いがないか確認を求めます。
  3. 内容に問題がなければ、遺言者、証人2名がそれぞれ署名し、遺言者は実印で、証人は用意した印鑑で押印します。
  4. 最後に公証人が署名・押印し、公正証書が完成します。

所要時間は30分程度です。完成した遺言書の「正本」と「謄本」が遺言者に交付されます。紙で作成された原本は公証役場に、電磁的記録で作成された原本は日本公証人連合会が運営するシステムに保存されます。

知っておくべき公正証書遺言の注意点と最新情報

手続きの流れを理解するとともに、法改正などの最新情報を把握しておくことも重要です。特に、遺言作成のあり方を大きく変える可能性のある法改正が控えています。

2025年10月から押印不要に?遺言の電子化について

公証人法の改正により、2025年10月1日から公正証書遺言の手続きが大きく変わりました。最も大きな変更点は、従来の署名・押印に代わり、マイナンバーカードなどを利用した「電子署名」が可能になることです。署名用電子証明書等を利用する場合は、実印や印鑑登録証明書によらずに手続を進めることができます。

さらに、嘱託人(遺言者)の申出があり、公証人が相当と認める場合などには、ウェブ会議システムを利用して、公証役場に出向かずに遺言を作成できることがあります。これにより、遠方にお住まいの方や、外出が困難な方でも、より手軽に公正証書遺言を作成できる道が開かれます。このデジタル遺言書の導入は、遺言作成の利便性を飛躍的に向上させるものと期待されています。

参照: 「2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます!

まとめ

公正証書遺言の作成は、遺言内容の決定、必要書類の収集、公証人との打ち合わせ、そして作成当日の署名・押印というステップで進みます。一見すると複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つの手続きは明確です。

法的に有効で、ご自身の意思を反映した遺言書を作成するためには、専門家のサポートが役立つ場合があります。相続に関するお悩みや、遺言書作成に関するご不明点がございましたら、まずは一度ご相談ください。当事務所が、遺言内容の整理から公証役場との調整までサポートいたします。具体的な弁護士費用についても、お気軽にお問い合わせください。

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