Archive for the ‘交通事故のコラム’ Category

交通事故賠償額増額の実例2

2019-06-07

今回も,当事務所にご依頼いただいた交通事故事件で,弁護士が介入したことにより賠償額が増額された実例を (さらに…)

交通事故の被害者が、受領済みの保険金の返金を求められた事例

2017-06-13

弁護士の多くは,依頼を受けるときには楽観的な見通しのみを伝えて契約を取りがちですが,私は依頼者をだますような手法をどうしても取れない (さらに…)

交通事故賠償額増額の実例

2017-03-16

今回は,当事務所にご依頼いただいた交通事故事件で,弁護士が介入したことにより賠償額増額された実例を (さらに…)

保険会社の提示額(交通事故)

2016-08-22

交通事故被害に遭った場合,弁護士相談しようとする契機の多くは,相手方保険会社からの示談金提示額が妥当かどうかだと思います。

結論から申し上げれば, (さらに…)

症状固定と後遺障害

2016-06-14

交通事故により傷害を負い,治療を続けていると,加害者の保険会社から治療費の打ち切りを (さらに…)

交通事故と慢性痛

2016-04-21

先日の報道によりますと,「外傷などが治った後もわずかな刺激で痛みを感じる「慢性痛」は (さらに…)

死亡交通事故と年金の逸失利益

2016-04-12

交通事故で亡くなった家族の「将来の年金」は逸失利益になるか?

ご家族が交通事故で突然亡くなられた悲しみの中、加害者側への損害賠償請求について、多くの疑問や不安を抱えていらっしゃることと存じます。特に、故人がまだ年金を受け取る前に亡くなられた場合、「将来受け取れたはずの年金も、失われた利益(逸失利益)として請求できないのだろうか」という切実な問いに直面される方は少なくありません。

結論から申し上げますと、はい、一定の条件を満たせば、将来受け取るはずだった年金も逸失利益として認められる可能性があります。

確かに、まだ年金の受給が開始されていなかったことを理由に、逸失利益性を否定した過去の裁判例も存在します。しかし、実務上の傾向として、年金の受給資格をすでに満たしており、受給開始年齢である65歳に近い年齢で亡くなられた場合には、逸失利益として認められるケースが多く見られます。この記事では、そのための重要な条件や、請求の際に知っておくべき点について、専門家の立場から解説します。交通事故による損害賠償の全体像を把握されたい方は、まずはそちらの記事をご覧ください。

将来年金が逸失利益として認められるための2つの重要条件

将来の年金が逸失利益として認められるか否かを判断する上で、最も重要なキーワードが「受給の蓋然性(がいぜんせい)」です。これは、平たく言えば「その方が事故に遭わなければ、将来、年金を受け取れたであろうことの確実性の高さ」を意味します。この蓋然性が高いと裁判所に判断されれば、逸失利益として認められる可能性が高まります。そして、この蓋然性は、主に以下の2つの条件から総合的に判断されることになります。

将来の年金が逸失利益として認められるための2つの重要条件を示す図解。左に「受給資格の有無」、右に「受給開始までの期間」が挙げられている。

条件1:年金の「受給資格」をすでに満たしていたか

まず、極めて重要なのが、事故の時点で故人が年金の受給資格期間を満たしていたかどうかです。例えば、老齢基礎年金の場合、原則として保険料納付済期間などが10年以上必要と定められています。この資格期間を満たしていれば、将来年金を受け取るという基本的な権利そのものは確定していると評価されやすいため、受給の蓋然性を裏付ける強力な根拠となります。

条件2:受給開始年齢までの「期間」は長すぎないか

次に、事故に遭われた年齢と、年金の受給が開始される年齢(原則65歳)までの期間の長さも考慮されます。この期間が短いほど、受給の蓋然性は高いと判断されやすい傾向にあります。

例えば、事故時に63歳で、あと2年で年金を受け取れるはずだったケースと、40歳で受給開始まで25年もの期間があるケースを比較してみましょう。前者の方が、その間に法改正や社会情勢の大きな変化といった不確定な要素が介入するリスクが低く、「ほぼ確実に年金を受け取れたであろう」と評価されやすいのです。期間が長くなるほど、この不確実性が増すため、逸失利益として認められにくくなる可能性があります。

逸失利益の対象となる年金・ならない年金の種類

一口に年金といっても、そのすべてが逸失利益の対象となるわけではありません。この区別は、保険料拠出との関係、給付の目的、受給権存続の確実性などを踏まえ、当該年金を被害者本人の逸失利益として評価できるかによって判断されます。

最高裁判所の判例では、老齢年金、障害年金、退職年金については、故人の労働や保険料拠出の対価としての性質が強いことから、逸失利益として認められています。一方で、遺族の生活保障という社会保障的な意味合いが強い遺族年金や、軍人恩給としての扶助料などについては、逸失利益性が否定されています。請求できる範囲を正しく理解しておくことが重要です。なお、死亡事故の慰謝料は、逸失利益とは別に請求することができます。

逸失利益の対象となる年金とならない年金の一覧表。老齢年金や障害年金は対象となり、遺族年金や恩給は対象とならないことが示されている。

【実践】将来年金の逸失利益を立証するための必要書類

将来の年金が逸失利益として認められる可能性を主張するためには、その「受給の蓋然性」を客観的な証拠で裏付ける必要があります。口頭で主張するだけでは、保険会社や裁判所を納得させることは困難です。そのために、以下の公的書類を準備することが極めて重要となります。

  • ねんきん定期便
  • 被保険者記録照会回答票

特に「被保険者記録照会回答票」は、これまでの年金加入記録の詳細が記載されており、保険料の納付期間や加入実績を証明する最も強力な証拠となります。これらの書類は、お近くの年金事務所で入手することが可能です。こうした客観的な資料を揃えることで、交渉で受給の蓋然性を説明しやすくなります。適切な損害賠償請求を行うための第一歩と言えるでしょう。

なお、日本年金機構のウェブサイトでは、インターネットを通じてご自身の年金記録を確認できる「ねんきんネット」サービスを提供しており、電子版の「被保険者記録照会回答票」の確認も可能です。

参照:電子版「被保険者記録照会回答票」

将来年金の請求で弁護士への相談が有用な理由

ここまで解説してきたとおり、将来の年金を逸失利益として請求するには、専門的な論点が多く含まれます。しかし、保険会社との任意の交渉段階で、これらの主張がすんなりと認められることは稀である、というのが実情です。

保険会社との交渉では、将来の年金のように法的な解釈に争いが生じやすい部分について、見解が分かれることがあります。そもそも、逸失利益の計算には、将来の受給額から生活費を差し引き、さらに「ライプニッツ係数」を用いて現在価値に換算するなど、専門的な知識が不可欠です。

ご遺族だけで交渉に臨むことは、本来得られるはずの正当な賠償を大きく下回る金額で示談してしまうリスクを伴います。ご家族を失われた大変な時期に、複雑な交渉まで抱え込む必要はありません。将来の年金を含め、適正な賠償を検討するためには、早い段階で交通事故問題に精通した弁護士に相談することが有用な場合があります。どうぞお一人で悩まず、当事務所にご相談ください。

交通事故の治療と整骨院・接骨院

2015-07-23

交通事故治療で整骨院に通うなら医師に事前相談しておくのが重要

交通事故によるむちうちなどの症状で、整形外科と並行して整骨院や接骨院への通院を検討される方は少なくありません。通いやすさや、独自の施術による症状緩和への期待があるかと存じます。しかし、安易に通院を開始してしまうと、後になって加害者側の保険会社から治療費の支払いを拒否されるという、思わぬトラブルに発展するケースがあるため注意が必要です。

結論として、整骨院・接骨院での施術を希望する場合は、まず整形外科を受診し、医師に相談したうえで同意(必要に応じて指示)を得ておくことが重要です。可能であれば、その経緯をカルテに残してもらうなど、医師が了承した事実が分かる形で記録を残しておくと安心です。なぜなら、医師の指示があるかないかで、後の示談交渉や、万が一裁判になった場合に、治療費や慰謝料の支払いが認められるかどうかが大きく変わってくる可能性があるからです。交通事故の損害賠償請求でお困りの際は、早川法律事務所にご相談ください

なぜ医師の指示がないと治療費が争われやすいのか?

保険会社が整骨院の治療費支払いに難色を示したり、裁判所が治療費として認めなかったりする背景には、法的な評価基準の違いが存在します。整骨院での施術も、自賠責保険の基準では必要かつ妥当な実費は支払いの対象となります。しかし、示談交渉がまとまらず裁判に移行した場合、より厳格な基準で判断されることになるのです。

裁判では、医師の明確な指示があったか、あるいはその施術が症状の改善に客観的に見て効果的であったかを立証しなければ、損害賠償の対象として認めてもらうことは困難になります。特に、医師の指示がないケースでは、たとえ症状改善への効果を主張したとしても、治療費の全額が認められるとは限りません。

自賠責保険と裁判所における整骨院治療費の認定基準の比較図解。自賠責では原則対象となるが、裁判所では医師の指示などがなければ認められにくいことを示している。

保険会社が整骨院の治療費を認めない理由

保険会社が整骨院での治療に慎重な姿勢を見せるのには、いくつかの理由があります。

  • 医学的な必要性の判断が難しい:保険会社は、損害賠償の範囲を「事故によって生じた傷害を治療するために必要かつ相当なもの」に限定したいと考えています。医師の診断に基づかない施術は、その必要性を客観的に判断しにくいと見なされがちです。
  • 「治療」ではなく「施術」という位置づけ:医師法では、医師でなければ「医業」を行えないとされています。整骨院・接骨院で行われるのは柔道整復師による「施術」であり、賠償実務・裁判では、医師による治療と常に同等に評価されるとは限りません。
  • 過剰診療への懸念:一部のケースでは、症状の改善に直接結びつかない長期間の通院や高額な施術が行われることもあり、保険会社は過剰診療を警戒する傾向があります。

こうした理由から、保険会社は自賠責保険の基準を根拠にしつつも、整骨院の治療費については厳しい目で見てくるのです。

裁判所が重視する「治療の必要性・相当性」

裁判になった場合、裁判所は整骨院での施術について「治療の必要性・有効性・合理性」や「期間・費用の相当性」といった観点から、損害として認めるべきかを判断します。このとき、最も強力な証拠となるのが「医師の指示」です。

医師が患者の症状を診断した上で、整骨院での施術を治療の一環として必要だと判断したという事実があれば、「治療の必要性・合理性」を立証しやすくなります。逆に、医師の指示がない自己判断での通院は、その必要性を客観的に証明することが難しくなり、裁判基準の慰謝料算定においても不利に働く可能性があります。

損をしないために!整骨院へ通う際の鉄則

適切な治療を受け、正当な賠償を得るために、整骨院へ通う際は以下の3つの鉄則を必ず守ってください。

交通事故で整骨院に通う際に損をしないための3つの鉄則を示すイラスト。整形外科の受診、医師の指示、定期的な併行通院の重要性をアイコンで表現している。

1. 必ず整形外科を先に受診し診断書をもらう

交通事故に遭ったら、症状の軽重にかかわらず、まずは必ず整形外科を受診してください。事故と怪我の因果関係を示すうえで、医師が作成する「診断書」は特に重要な資料の一つです。整骨院では診断行為ができないため、診断書は発行されません。最初に医師の診断を受けておくことが、すべての手続きの出発点となります。なお、交通事故での通院先につきましては、こちらの記事(交通事故での通院先は吟味しましょう)もご参照ください。

2. 医師から整骨院通院の「指示」を得る

整形外科の医師に、整骨院での施術を受けたい旨を明確に伝え、その必要性について相談しましょう。そして、通院に対する「指示」や「許可」を得ることが重要です。単なる医師の「黙認」や「同意」だけでは、法的には「指示」と見なされない可能性もあります。可能であれば、カルテへの記載を依頼するなど、医師が許可した事実を記録に残してもらうのが望ましいでしょう。

3. 整形外科への定期通院を並行して続ける

整骨院への通院を開始した後も、自己判断で整形外科への通院をやめてはいけません。整骨院への通院中も、整形外科で定期的に医師の診察を受け、症状の経過を記録してもらいましょう。これは、治療の必要性が継続していることを客観的に示す証拠となります。また、将来的に症状が改善せず、後遺障害等級認定の申請を検討する際にも、医師による一貫した症状の記録が不可欠です。

整骨院の治療費で困ったら弁護士へ相談を

もし、保険会社から整骨院の治療費支払いを一方的に打ち切られそうになったり、対応に不安を感じたりした場合は、一人で悩まずに弁護士へご相談ください。専門家である弁護士が介入することで、治療の必要性を医学的・法的な観点から保険会社に主張し、不当な支払拒否に対抗することが可能です。

適切な治療に専念し、正当な賠償を受け取るためにも、早い段階で交通事故問題に注力する弁護士に相談することをお勧めします。当事務所では、交通事故被害者の方々が安心して治療を受けられるよう、全力でサポートいたします。

交通事故と刑事裁判への被害者参加

2015-03-09

交通事故の刑事裁判、被害者遺族にできること

突然の交通事故でかけがえのないご家族を失った悲しみ、そして加害者に対する抑えきれない怒り。その苦しみは計り知れません。「このまま何もできないのか」「加害者に然るべき罰を」。そうした無力感と憤りを抱え、眠れない夜を過ごされている方も少なくないでしょう。

しかし、あなたは決して無力ではありません。加害者の刑事裁判は、決して他人事ではないのです。「被害者参加制度」は、裁判所の許可を得て「被害者参加人」として刑事裁判に参加し、一定の範囲で意見を伝えるなどの関与ができる制度です。この記事では、あなたのその想いを無駄にしないための道筋を解説します。

参照:死亡事故の慰謝料

被害者参加制度とは?あなたの声を裁判に届ける仕組み

被害者参加制度とは、過失運転致死傷等の一定の対象事件について、被害者やご遺族が裁判所の許可を得て刑事裁判に参加できる制度です。目的は、裁判の過程に被害者の視点を反映させ、その尊厳を守り、想いを実現することにあります。対象となるのは、交通事故の場合、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪といった事件です。ご家族が亡くなられたり、重い後遺障害を負われたりしたケースでも、事件が対象事件に当たること等の要件を満たし、裁判所の許可が得られれば、この制度を利用できます。

交通事故の被害者参加制度でできる5つのこと(公判出席、被告人質問、証人尋問、意見陳述、検察官への意見)をアイコンで分かりやすく示した図解。

被害者参加でできる5つのこと

この制度では、具体的に以下の5つの権利が認められます。特に、②と④はご遺族の感情を直接伝える上で極めて重要です。

  1. 公判への出席:検察官の隣の席で、裁判の進行を間近で見守ることができます。
  2. 被告人(加害者)への質問:弁護士を通じて、またはご自身で、定められた手続の下で、裁判所が認めた範囲の質問を行うことができます。
  3. 証人尋問:事件の証人に対して、事実関係(情状に関するものに限る)を明らかにするための質問ができます。
  4. 意見陳述:被害に遭ったことによる悲しみ、苦しみ、そして加害者に対する処罰感情を「意見」として法廷で述べることが可能です。
  5. 検察官への意見:求刑等に関して、検察官に意見を伝えることができます。

これらの権利を行使することは、精神的に大きな負担を伴うかもしれません。そのため、多くのケースで交通事故に詳しい弁護士が代理人としてサポートします。

参照:政府広報オンライン「裁判に参加する被害者をサポート 被害者参加制度」

被害者参加は量刑に影響する?求刑どおりの判決も

被害者参加を検討する方が最も知りたいのは、「私たちの参加で、加害者の刑罰は重くなるのか?」という点でしょう。結論から言えば、量刑に影響を与える可能性は十分にあります

裁判官が刑の重さを決める(量刑)際、事故の態様や結果の重大性だけでなく、被害者やご遺族の処罰感情も重要な考慮要素となります。意見陳述などを通じて、ご遺族の悲痛な叫びや厳罰を望む強い意志が裁判官に直接伝わることは、決して軽く扱われるものではありません。

一般的に、刑事裁判の判決は検察官の求刑の8割程度が相場と言われることもあります。しかし、これはあくまで一般的な傾向に過ぎません。当事務所の弁護士が過去に取り扱った事案では、被害者参加を行い、法廷で想いを尽くした結果、加害者には検察官の求刑どおりの判決が言い渡されました。これは、被害者の切実な声が司法の判断に届いた、紛れもない事実です。

参照:死亡交通事故で弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリットと手続きの流れ

被害者参加制度を利用するにあたり、弁護士に依頼することには大きなメリットがあります。

  • 精神的負担の軽減:加害者と直接対峙する精神的な負担を弁護士が肩代わりします。
  • 専門的な手続きの代行:検察官への参加申出から、裁判の準備まで、複雑な手続きをすべて任せられます。
  • 効果的な主張の準備:被告人への質問内容を練ったり、裁判官の心に響く意見陳述書作成の助言をしたりと、専門的な視点から強力にサポートします。

手続きは、まず検察官に参加の申出を行うことから始まります。裁判所が参加を許可すれば、公判期日に出席し、上記で解説した権利を行使していく流れとなります。突然ご家族を奪われた悲しみの中で、これらの手続きをご自身だけで進めるのはあまりにも過酷です。専門家である交通事故の被害者参加に対応できる弁護士を代理人とすることで、あなたは一人で戦う必要がなくなります。加害者に対する正当な処罰を求めるその想いを、私たちが法的な力に変えてサポートします。

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