自己破産は人生の終わり?弁護士が誤解と真実を解説

自己破産は「人生の終わり」という大きな誤解

借金の返済に追われ、先の見えない不安な日々を送られている中で、「自己破産」という言葉が頭をよぎるかもしれません。しかし、その言葉の重さから「自己破産をしたら、もう人生は終わりだ」と、絶望的な気持ちに苛まれてしまう方も少なくないのではないでしょうか。

法律の専門家として、まずはじめに、はっきりとお伝えしたいことがあります。それは、「自己破産は人生の終わり」では断じてありません、ということです。むしろ、それは多重債務という苦しい状況から抜け出し、経済的な人生を再スタートさせるために国が認めた、前向きな法的手続きに他なりません。

この記事では、多くの方が抱えている自己破産に対する大きな誤解を解き、その真実について分かりやすく解説していきます。正しい知識は、きっとあなたの心を少し軽くしてくれるはずです。

誤解①:財産はすべて失う?→「自由財産」は残ります

「破産」という言葉の響きから、「家財道具も何もかも、すべて差し押さえられてしまうのでは?」というご不安を抱くのは当然のことです。しかし、ご安心ください。自己破産をしても、生活に必要な財産まで全てを失うわけではありません。

法律では「自由財産」という制度が認められており、生活を再建するために最低限必要な財産は手元に残すことが可能です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 手元の現金(所持金)99万円以下
  • 生活に欠かせない家財道具(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)
  • 一定額以下の預貯金
  • 解約返戻金が一定額以下の保険
  • ローンが付いていなくて年式が古い自動車

このように、自己破産は無一文になる手続きではなく、次の生活へスムーズに移行するための配慮がなされています。すべての財産を処分しなければならないわけではないのです。より詳しい手続きについては、自己破産の手続きの一つである「同時廃止」を解説した記事もご覧ください。

誤解②:権利がなくなる?→選挙権などの権利はなくなりません

「自己破産をすると、何か特別なペナルティが課せられるのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。例えば、選挙権がなくなったり、戸籍や住民票にその事実が記載されたりするのではないか、といった不安です。

これも全くの誤解です。自己破産は、あくまで個人の経済的な再建を目的とした手続であり、市民としての基本的な権利を奪うものではありません。選挙権や被選挙権がなくなることはありませんし、戸籍や住民票、マイナンバーカードなどに記載されることも一切ありません。

ご家族が保証人になっていない限り、家族に直接的な影響が及ぶことも基本的にはありません。自己破産は、社会的な烙印を押されるようなものではないのです。

誤解③:将来の希望が絶たれる?→ローンもいずれは組めます

「一度自己破産をしたら、もう二度とローンを組んだり、クレジットカードを作ったりできなくなる」というのも、よくある誤解の一つです。

確かに、自己破産をすると、その情報が信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録されます。この期間中は、新たな借り入れやクレジットカードの作成が難しくなるのが実情です。しかし、その登録期間は永久ではありません。

信用情報に登録される期間は機関により異なり、目安としてCIC・JICCは契約終了後5年以内、全銀協は7年間です。情報が削除された後は、再びローンを組んだり、クレジットカードを作成したりできる可能性が十分にあります。

つまり、自己破産による制約は、人生を再設計するための一時的な期間に過ぎません。いずれはローンが組めるようになるのですから、将来に希望を失う必要は全くないのです。

弁護士との相談を終え、安堵の表情を浮かべる相談者。借金問題解決への希望が見えたことを象徴している。

まとめ:自己破産は再出発の第一歩です

これまで見てきたように、自己破産にまつわるネガティブなイメージの多くは、誤解に基づいています。

  • 財産:生活に必要な「自由財産」は手元に残せます。
  • 権利:選挙権などがなくなることはありません。
  • 将来:一定期間後には、再びローンを組める可能性があります。

自己破産は「人生の終わり」などではなく、借金の苦しみから解放され、経済的な人生を再出発させるための、国が認めた正当な権利です。

もしあなたが今、返済のことで頭がいっぱいで、夜も眠れないほどの不安を抱えているのであれば、どうか一人で抱え込まないでください。借金問題に詳しい専門家である弁護士に相談することが、その苦しみから抜け出すための、有力な選択肢の一つとなります。

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