犯罪被害者の裁判参加拡充についての報道の雑感

先日、法務省が犯罪被害者や遺族らの刑事手続きへの関与の拡充について法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を固めたとの報道がありました。

確かに、犯罪被害者やご遺族が加害者の刑事裁判に参加できる機会を増やすのは大切だとは思います。

しかし、犯罪被害者支援については、刑事だけではなく、民事も重要であり、両輪をなします。

ところが、被害者が加害者に対して損害賠償の民事裁判を起こして勝訴したとしても、加害者には財産がないことが多く、また、加害者は簡単に住所や職を変えることが多いため、給料の差押えも困難なことが多いです。

したがいまして、国が被害者への賠償金を立替え、国が加害者に対して税金の差押えと同様に厳しく回収するくらいのことをしなければ、真の被害回復は望めないと思います。

国が犯罪被害者への賠償金を立替える制度として、現在は犯罪被害者等給付金がありますが、要件が厳しい上に、慰謝料が含まれておりません。

参照 警察庁 犯罪被害給付制度

犯罪被害者やご遺族から相談を受ける弁護士としましては、完全な犯罪被害者等給付金を望むところです。せめて、加害者に裁判で勝訴した場合には勝訴した金額全部を国に立て替えてもらいたいと切に望みます。

なお、痴漢などの場合には、加害者が普通の会社員であることも多く、職や家族を失いたくないとの思いから示談金の支払いに応じることが多いです。

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