自動車に乗っていて交通事故に遭うと、頸椎捻挫、いわゆるむち打ち症を発症することがよくあります。
症状としては首の痛みなどが多いですが、頭痛や手のしびれを訴える方もいらっしゃいます。
1、2か月で治れば良いのですが、6か月以上経っても痛みがひかない方もおられます。この場合、多くは後遺症の段階に入っており、後遺障害の等級認定を申請することになります。
後遺障害の等級は、1級から14級まであり、むち打ち症の場合には12級、14級または非該当となることがほとんどです。
非該当とは、後遺障害とは認めてもらえなかったということであり、この場合、後遺障害慰謝料も逸失利益も請求できないということになります。12級または14級と認めてもらえれば、後遺障害慰謝料と逸失利益を請求できることになり、12級の裁判基準での慰謝料額は290万円、14級は110万円となっています。逸失利益も、12級では14%、14級では5%となります。
12級、14級、非該当の分かれ目は、12級は「障害の存在が医学的に証明できるもの」とされ、これは画像所見などの他覚所見が存在することとされています。14級は「障害の存在が医学的に説明可能なもの」とされ、非該当はそれらに該当しないものとされていますが、14級と非該当の差は結構あいまいです。
一般的な傾向として、画像所見、すなわち神経を圧迫しているような画像があることと、神経学的検査所見、すなわちジャクソンテストやスパーリングテストというような検査が陽性であることとの両方が備わっていれば12級に認定される傾向があり、神経学的検査所見のみであれば14級、神経学的検査所見さえなければ非該当とされる傾向があります。
当事務所が扱った事件では、神経学的検査所見がないために非該当とされた後遺障害が、当事務所が異議申立てを行ったことにより14級として認定されたものもあります。上記は一般的な傾向であり、実際には異議申立て等をやってみないとわからないというところもありますので、まずは当事務所にご相談いただければと思います。