顧問弁護士のメリット・費用とは?選び方や契約のタイミングも解説

問弁護士は企業の成長を支えるパートナーです

「事業が大きくなるにつれて、契約書の内容が複雑になってきた」
「従業員との間で、労務トラブルの火種が見える…」
「でも、弁護士に相談するなんて、なんだか敷居が高いし、費用もいくらかかるか分からない」

中小企業の経営者様であれば、このような悩みを一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。

法務トラブルは、どんなに気をつけていても、ある日突然やってきます。そして、問題が大きくなってから弁護士を探し始めても、すぐに対応してくれるとは限りません。

最悪の場合、事業の存続に関わる大きな損害を被ってしまう可能性もあります。

顧問弁護士は、単にトラブルが起きたときに対応する「消防士」のような存在ではありません。

むしろ、法的なリスクの火種が燃え広がる前にそれを発見し、未然に防ぐ「予防法務」の専門家であり、企業の健全な成長を二人三脚で支えるパートナーです。

この記事では、顧問弁護士のメリットや費用相場、契約すべきタイミングや選び方のポイントまで、経営者の皆様が抱える疑問を一つひとつ丁寧に解説していきます。

最後までお読みいただければ、自社にとって顧問弁護士が本当に必要かどうか、きっと明確な答えが見つかるはずです。

顧問弁護士を依頼するメリット

顧問弁護士と契約することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

トラブルが発生してからその都度弁護士を探す場合と比較しながら、7つの主なメリットをご紹介します。

メリット1:迅速な対応と相談のしやすさ

ビジネスの世界ではスピードが命です。法的な判断に迷ったとき、すぐに相談できる専門家がいるかどうかは、事業の成否を分ける重要な要素になり得ます。


顧問契約を結んでいれば、日頃から会社の事業内容や内情を理解している弁護士に、電話やメール一本で「ちょっと教えてほしい」と気軽に相談できます。

問題が発生した際に、ゼロから弁護士を探し、会社の状況を説明するといった時間的・精神的な負担を大幅に軽減できるのは、計り知れないメリットと言えるでしょう。

顧問契約の顧客については、事務所の運用に応じて優先的に対応する場合があります。具体的な対応優先度等は契約書で個別に定めます。

メリット2:法務トラブルの発生を未然に防ぐ「予防法務」

顧問弁護士が果たす最も重要な役割の一つが、この「予防法務」です。これは、いわば企業の健康診断のようなもの。

問題が起きてから対処する「臨床法務(治療)」ではなく、問題が起こらないように先手を打つ考え方です。

具体的には、以下のような業務を通じて、将来起こりうるリスクの芽を摘み取ります。

  • 契約書のリーガルチェック:不利な条項がないか、法的に問題がないかを確認します。
  • 労務環境の整備:就業規則の見直しや雇用契約書の作成を通じ、従業員とのトラブルを防ぎます。
  • コンプライアンス体制の構築:法令遵守のための社内ルール作りをサポートします。
  • 新規事業の適法性チェック::新しいビジネスを始める前に、法的な問題点がないかを確認します。

「治療より予防」という考え方は、結果的に訴訟などに発展した場合の莫大なコストや企業の信用失墜といったリスクを回避し、企業の健全な成長へと繋がります。

メリット3:法務コストの削減と明確化

「弁護士費用は高い」というイメージがあるかもしれませんが、見方を変えれば、顧問弁護士は非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢です。


例えば、法務担当者を一人雇用する場合、給与や社会保険料などを含めると年間で数百万円のコストがかかります。一方、顧問弁護士であれば、月額数万円から、経験豊富な専門家を企業の法務部のように活用できます。

また、月額の顧問料という形で費用が固定されるため、年間の法務コストが明確になり、経営計画や予算が立てやすくなるというメリットもあります。

突発的な出費を抑え、安定した経営基盤を築く上でも有効です。

メリット4:個別の弁護士費用が割引になる

顧問契約の範囲を超える法務対応、例えば、訴訟や交渉代理などが必要になった場合でも、顧問契約を結んでいることでメリットがあります。


事務所により顧問先向けの割引を適用する場合があります。割引の有無・率は事務所ごとに異なるため、契約前に必ずご確認ください。

当事務所でも、顧問契約により相談の費用や運用を明確化できる場合があります。無料や割引の適用、費用対効果は契約内容や利用頻度によって異なりますので、具体的条件は契約前にご確認ください。

顧問弁護士の費用相場とサービス内容

顧問弁護士の費用は、企業の規模や依頼したい業務の範囲によって変動します。ここでは、一般的な費用相場と、顧問料に含まれるサービス内容について解説します。

月額顧問料の一般的な相場

中小企業の場合、月額の顧問料は5万円~10万円程度が一般的な相場です。

顧問料に含まれる業務と含まれない業務

「どこまでが顧問料の範囲で、どこからが追加費用なの?」という点は、契約前に最も明確にしておくべき重要なポイントです。

  • 顧問料に含まれることが多い業務
    • 日常的な法律相談(電話、メール、面談)
    • 簡易な契約書や社内規程のチェック
  • 顧問料に含まれず、別途費用が発生することが多い業務
    • 訴訟、労働審判、調停などの裁判手続きの代理
    • 相手方との交渉代理
    • M&Aや事業承継に関する法務(デューデリジェンスなど)

契約後の「こんなはずではなかった」という事態を避けるためにも、顧問契約書の内容をしっかりと確認し、業務範囲について不明な点があれば事前に質問しておくことが大切です。

当事務所では、ご契約いただく前に、サービス範囲について丁寧にご説明いたします。

【企業のステージ別】顧問弁護士を契約すべきタイミング

木の成長する3カットの写真

「顧問弁護士の必要性は分かったけれど、自社にとってはいつが最適なタイミングなのだろう?」という疑問にお答えします。

企業の成長ステージごとに、顧問弁護士が必要となる具体的な場面を見ていきましょう。

創業期:事業の土台を固めるタイミング

事業を始めたばかりの創業期こそ、実は顧問弁護士と契約するメリットが大きい時期です。

事業の根幹となる法的な土台を最初にしっかりと固めておくことで、将来のトラブルを未然に防ぎ、安心して事業成長に集中できる環境を整えることができます。

  • 会社設立に関する法的手続きの相談
  • Webサイトの利用規約やプライバシーポリシーの作成
  • 初めて従業員を雇用する際の雇用契約書の整備

成長期:法的リスクが増大するタイミング

事業が軌道に乗り、売上や従業員が増えてくる成長期は、それに比例して法的なリスクも増大します。これまで見過ごされてきた問題が、この時期に一気に顕在化することも少なくありません。

  • 従業員の増加に伴う労務問題(残業代、ハラスメントなど)
  • 取引先との契約トラブル(売掛金の未払いなど)
  • 知的財産権(商標、著作権など)の管理と保護
  • 下請法や景品表示法など、事業に関連する法律への対応

安定期・事業承継期:守りと未来への備えのタイミング

企業が安定期に入ると、攻めの経営だけでなく「守りの法務」の重要性が増してきます。コンプライアンス体制を強化し、社会的な信用を維持していくことが、持続的な成長には不可欠です。

  • コーポレートガバナンス(企業統治)の強化
  • 内部通報制度の整備
  • 株主総会の運営指導
  • 事業承継やM&Aに向けた法的な準備

このように、企業のどのステージにおいても、顧問弁護士が活躍する場面は数多く存在します。

顧問弁護士と法務部の違いと最適な連携方法

「社内に法務部や法務担当者がいれば、顧問弁護士は必要ないのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、法務部と顧問弁護士は、それぞれ異なる役割と強みを持っており、両者が連携することで企業の法務対応力は飛躍的に向上します。

役割の違い:日常業務の法務部vs 高度な専門性の顧問弁護士

法務部と顧問弁護士の役割の違いは、以下のように整理できます。

法務部(社内弁護士含む)顧問弁護士
強み・社内の事情に精通している・事業部門との連携がスムーズ・日常的な契約書チェックなどを迅速に処理・多様な業界・企業の事例を知っている・客観的・中立的な視点からのアドバイス・訴訟対応など高度な専門知識と経験
役割日常的な法務業務全般、事業に寄り添ったサポート高度な専門的判断、訴訟対応、セカンドオピニオンの提供

このように、両者は対立するものではなく、お互いの強みを活かしながら補完しあう関係です。日常的な一次対応は法務部が行い、より専門的な判断や客観的な意見が必要な場合に顧問弁護士に相談する、という連携が理想的な形です。

法務部がない中小企業こそ顧問弁護士が不可欠

作業着で仕事をする女性

法務部を設置する余裕のない多くの中小企業にとって、顧問弁護士は「社外法務部」として機能します。

法務に関する業務を専門家にアウトソーシングすることで、経営者や他の従業員は本来の業務に集中することができます。

法務トラブルへの対応で経営者が疲弊し、本業がおろそかになってしまうケースは後を絶ちません。

そうした事態を避けるためにも、中小企業こそ、経営のパートナーとして顧問弁護士を活用することをおすすめします。

失敗しない顧問弁護士の選び方【3つの重要ポイント】

顧問弁護士は、会社の重要な内情を共有し、長期にわたって付き合っていくパートナーです。だからこそ、慎重に選ぶ必要があります。

ここでは、顧問弁護士選びで失敗しないための3つの重要なポイントを解説します。

ポイント1:経験豊富で、企業のビジネスを理解してくれるか

弁護士にはそれぞれ得意な分野があります。個人の問題を主に取り扱う弁護士もいれば、企業法務を専門とする弁護士もいます。

まずは、企業法務の経験が豊富かどうかを確認しましょう。さらに重要なのは、自社のビジネスモデルや業界特有の商習慣を理解しようと努めてくれるか、という点です。

業界への理解がなければ、いくら法律知識が豊富でも、机上の空論で的確なアドバイスは期待できません。

その点、当事務所の代表弁護士は、弁護士歴19年以上の経験を持ち、これまで数多くの中小企業様のサポートをしてまいりました。

経験豊富な弁護士が直接ご相談に対応し、貴社のビジネスに寄り添ったアドバイスを提供します。

ポイント2:気軽に相談できる相性とレスポンスの速さ

顧問弁護士との関係は、信頼が第一です。経営者が「この先生になら、どんな些細なことでも、会社の弱みでも話せる」と感じられるかどうかが、極めて重要になります。


また、ビジネスの現場では、すぐに回答が欲しい場面も少なくありません。

問い合わせに対するレスポンスの速さも、ビジネスのスピード感を損なわないために不可欠な要素です。

法律相談などを活用して、契約前に必ず弁護士と直接会い、人柄や話しやすさ、対応の速さなどを確かめることを強くおすすめします。

ポイント3:料金体系とサービス範囲が明確か

契約後のトラブルで最も多いのが、費用に関するものです。

「どこまでが顧問料の範囲なのか」「追加費用はいくらかかるのか」といった点が曖昧なまま契約してしまうと、後で思わぬ請求をされてしまう可能性があります。


契約前には、必ず書面で以下の点を確認しましょう。

  • 月額顧問料で対応してくれる業務の具体的な範囲と時間
  • 追加費用が発生するのはどのような場合か、その際の料金算定基準
  • 契約期間と解約条件

当事務所では、委任契約書に基づき費用を明示し、追加費用が必要となる場合は事前に合意の上で説明・請求します。

ご契約いただく前に、料金体系とサービス範囲を明示し、追加費用が発生する場合は事前にご説明します。

まとめ:最適な顧問弁護士を見つけ、事業成長を加速させましょう

この記事では、顧問弁護士のメリット、費用、契約のタイミングから選び方まで、網羅的に解説してきました。


顧問弁護士は、トラブルが起きたときだけの存在ではなく、日頃から法的なリスクに備え、企業の健全な成長をサポートする不可欠なパートナーです。

信頼できる顧問弁護士という「お守り」を持つことで、経営者の皆様は法的な不安から解放され、安心して事業の拡大に専念することができます。

「まずは自社の状況を相談してみたい」「顧問契約について詳しく話を聞きたい」とお考えでしたら、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

早川法律事務所は、千葉市で15年以上の実績を持ち、弁護士歴19年以上の代表弁護士がすべての相談に直接対応いたします。あなたの会社の成長を、法務の面から全力でサポートします。

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