以前のコラムでは第三者からの情報取得手続(不動産編)をご説明いたしましたが,今回は第三者からの情報取得手続(勤務先情報編)となります。
今回の民事執行法改正では,裁判所を通じて,債務者が給料をもらっている勤務先情報を市町村や日本年金機構等から得ることができるようになりました。
ただし,その要件は不動産情報よりも厳しく,不動産情報の際の要件に加え,養育費や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者のみが申立可能となります。
つまり,貸金や売掛金の回収などには使えず,詐欺などの財産的な被害に遭った場合にも使えないということになります。
ここで問題になるのが,慰謝料についてですが,この民事執行法改正案を審議した衆議院法務委員会の議事録によりますと,法務省民事局長は,精神的苦痛も身体の侵害なので慰謝料請求の場合にも勤務先情報が取得できると述べております。
また,法務省民事局長は,振り込め詐欺などの被害に遭った人も,失った財産の損害賠償だけであればこの制度は使えないが,だまされたという精神的苦痛に対する慰謝料とセットであれば使えると述べておりますので,振り込め詐欺に限らず,訴訟提起にあたっては慰謝料をセットにすることが有効かもしれません。

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