交通事故の被害者が、受領済みの保険金の返金を求められた事例

弁護士の多くは,依頼を受けるときには楽観的な見通しのみを伝えて契約を取りがちですが,私は依頼者をだますような手法をどうしても取れないため,
良薬は口に苦しということわざのとおり,初めにリスクも説明いたします。

今回ご紹介する事例は,自転車で走行中に自動車からぶつけられ,6か月間通院していた被害者が,加害者側保険会社からすでに受領していた保険金の返還を求められたというものです。

広島地裁平成29年2月28日判決は,治療が必要だったのは交通事故から2週間程度のみであり,その後は治療の必要がなかったので,3週目以降の治療費通院慰謝料を認めず,むしろ,受領済みの保険金の返還を命じました。

この事例は,被害者が事故の翌日から軟式野球の試合に積極的に打ち込んでいたという特殊なものですが,このように,医師等に申告していた症状と矛盾する行動をとっていたことが後に判明した場合には,受領済みの保険金の返還を求められることもありますので,そのようなリスクを負わないよう,交通事故に遭った場合には早めに弁護士相談されることをお勧めいたします。

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