離婚や相続などの家事調停の流れ

離婚相続などで争いが生じた場合、訴訟や審判を起こす前にまずは家庭裁判所調停家事調停と言います)を行う必要がありますが、今回はその家事調停の流れのご説明です。

家事調停は、家庭裁判所に申立書を提出することから始まります。千葉家裁で使われている離婚調停の申立書や記載例はこちらです。家庭裁判所にも申立手続の概要、申立書の記載方法などの無料案内窓口がありますが、事件を当事務所にご依頼いただければ当事務所が申立書を作成して裁判所に提出いたします

裁判所が申立書を受け付けると、後日、第1回調停期日をいつにするかの問い合わせが裁判所から来ます。都合の良い日時で第1回調停期日が決まれば、裁判所は申立書の写し等と呼出状を相手方に送ります。第1回調停期日は相手方の都合を聞かずに決まります。調停期日は、午前中であれば10時から、午後であれば13時30分から始まるのが通常です。

第1回調停期日では、まず、申立人側から話を聞きます。弁護士に依頼せずに調停を行う場合、初めに、申立人と相手方が同席して裁判所から調停についての説明をされることがありますが、調停自体は、原則として、申立人または相手方がそれぞれ交代で調停室に入って話をします。弁護士にご依頼をした場合には弁護士も同席します

調停室の中には、調停委員という裁判所の人がいます。調停委員は、通常、男女各1名の合計2名です。

第1回調停期日で聞かれることは、主に、相手方に何を求めたいかということです。リラックスさせるために世間話から入ることもあります。また、事件の背景を知るために家族構成や仕事などの生活状況を聞かれることもあります。

相手方に求めたいことを伝え終わると、申立人が退出して相手方と交代します。大体、30分ごとに交代することが多いです。申立人の待合室と相手方の待合室は別々になっていますので、申立人と相手方が顔を合わせないように配慮されています。

相手方が調停室に入ると、調停委員から、申立人が何を求めて調停を申し立てたかが伝えられます。この時に、相手方は、自らの主張や反論を調停委員に伝えることになります。

相手方がこの調停についての主張や意見などを調停委員に伝え終わると、相手方は退出して、また申立人と交代します。申立人は、この時に、調停委員からこの調停についての相手方の反応を聞くことになります。

調停は、このように、申立人と相手方が代わるがわる調停室に入って調停委員と話をすることによって進行します。午前中の調停は12時くらいまで、午後の調停は15時くらいまで行われるのが通常です。第1回調停期日は相手方の都合を聞かずに決まるので、相手方の都合がつかずに欠席することもありますが、この場合には、申立人のみから話を聞いた後、次回の調停日時を決めます。

調停は、1回で成立または不成立となることは稀です。調停は、1か月に1度くらいのペースで開かれますが、現在は、新型コロナウイルスの影響で、1か月半に1度くらいとなっているようです。

調停においては、離婚相続などが法律上の制度である以上、法律論は避けて通れません。弁護士が同席していれば、その場で法律論に対処できますし、相手方と交代しているときに待合室でご説明や打ち合わせをすることができるので、期日を無駄にすることなく、スムーズに調停が進行します。また、調停委員は調停を成立させたいと思っているので、ともすれば説得がちになる人もいますが、弁護士が同席していれば、説得されて不本意な調停を成立させてしまう恐れはなくなります

したがいまして、調停はご本人でも遂行できる手続きとはなっておりますが、不本意な調停を回避するためには、弁護士に依頼されることをお勧めいたします。

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