認知と養育費

結婚していない男性との間に子供ができた場合,子供の養育費を請求するためには,まずは相手の男性に認知をしてもらう必要があります。

相手が認知に応じてくれればそれほど時間はかからないと思いますが,応じてくれない場合,認知の調停訴訟をする必要がありますので,認知が成立するまで時間がかかってしまうことになります。そうすると,子供が生まれてから認知が成立するまでの間の養育費は請求できないのでしょうか?

原則として,養育費は,請求した時点からしか請求できないのですが,認知の場合,請求しようと思っても認知が成立しない限りは請求できないのですから,認知成立後からしか請求できないとすると酷になります。

この点につき,裁判例(大阪高裁平成16年5月19日決定)は,認知審判確定直後に養育費請求の調停を申し立てた事例において,子供が生まれた時に遡って養育費を請求できるとの判断をしました。

ただし,この事例は,子供の出生から認知確定まで1年ちょっとしかない事例なので,あまりに年数が経っている場合には生まれたときまで遡って請求できない可能性があります。

結婚していない男性との間の子供につき,生まれたときからの養育費を請求したいと思った場合には,生まれてすぐに認知請求をし,認知が確定したらすぐに養育費請求をする必要があると思われます。

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