相続廃除の審判を勝ち取りました

今般,私が遺言執行者として相続人廃除を申し立てていた事件につき,相続廃除審判を勝ち取りました。

事案としては,被相続人が,自分の子どものうちの1人を相続人から廃除する旨の遺言をしていたもので,私が遺言執行者となっておりました。

相続廃除とは,推定相続人から相続権を剥奪する制度であり,廃除された者は遺留分さえも失います(民法892条)。

Wikipediaに「家庭裁判所はこの申立てに対し慎重に審議する傾向にあり、実際に相続廃除が認められた事例はそれほど多くない。また、相続廃除は遺言で行うことも可能であるが(民法893条)、推定相続人が異議申立てをすると認められない場合がほとんどであり、推定相続人が一切の異議を申し立てないか、重大な犯罪行為を犯して刑務所や少年院などの更正施設に収容されているようなことがなければ、相続権が剥奪されることは稀である。」と記載されているとおり,相続廃除の審判を勝ち取った弁護士はほとんどいないと思われます。

実際,今回の事案は,推定相続人が争った事案であり,更正施設に入っていた方でもなかったので,初めのうちの裁判官の反応は冷たいものでした。第1回目の期日で,裁判官から,「次回に推定相続人本人から意見を聞いて結審します。」と言われたくらいです。

しかし,私がしっかり反論したところ,風向きが変わり,その後も審理が続行しました。結局,申立てから審判まで,審理は1年弱行われました。

裁判所は廃除をなかなか認めませんので,勝訴は難しい事案ですが,自分の弁護士としての活動が実を結ぶと,やはり励みになります。

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